明治大正昭和を通して純文学から通俗小説、歴史小説や推理小説まで旺盛な執筆活動を続けた文豪・谷崎潤一郎。氏の広汎なコレクションから短編佳作『小さな王国』を収録。 Google Books\r\rあらすじ(一部)\r貝島は二年前に北関東にある、G県のM市の小学校に転任した小学校教師です。\r中学校に行くのも難しいような貧しい家に生まれましたが、将来学者になりたいという希望を持ち、尋常師範学校に進学し、小学校教師になりました。\rいつまでも小学校の教師でいるつもりはありませんでした。\r将来は日 本と中国の歴史を研究して文学博士になりたい、そんな抱負を持っていました。\rしかし二十代半ばで父を亡くし、結婚してからは日々の生活に甘んじ、今では二十年近いキャリアを持つベテラン教師です。子供は六人いて、もうじき七人目が生まれそうです。\rまた貝島には年老いた母もいました。\r貝島が教師をしている学校は土地柄か、裕福な家庭の子供が多く、みな上品なきれいな身なりをしています。それに比べて欲しいものも満足に買ってもらえない自分の子供たちが可哀そうになるのでした。・・・・\r\r「谷崎潤一郎の『小さな王国』は、不気味な短編だ。主人公の教師が勤める小学校に沼倉という転校生が登場し、波乱が始まる。沼倉は絶対的リーダーとなり、大人に内緒で「沼倉紙幣」を発行する。子どもたちは家から持ち出した品物をこの紙幣で売買し、仲間内で経済を回す。はじめは叱った教師もミルク代に窮して沼倉の手下になる。・・」\r\r新栄閣・大正13年9月復興初版発行の谷崎潤一郎「小さな王国」函付きです。経年のヤケがありますが、シミや書き込みや蔵書印、シールの剥がし痕などはありません。本の造りは確りしており経年の割には状態は良いと思います。\r100年前の古書であることをご理解の上、購入の検討をお願いいたします。